全仏オープン
選手が書くべきではないかもしれませんが、私の意見を言わせてもらいます。
ラケットの破壊について様々な意見がありどれが正しいとは言いませんが、選手がラケットを破壊するまでに至る経緯と、その状況について私なりに説明します。
プロツアーはトップ選手になると、多くの移動を含め年間100試合近くをこなします。この試合数がどのくらい大変な事なのかは、皆さんの想像にお任せしますが、選手にとってこのツアーで生き残るために絶対に必要な事は、全試合を闘争心を絶さず闘い抜く事です。
試合で必要とされる闘争心には、恐怖心や迷いを和らげる役割があります。
(この重要性は今は書きません)
しかしこの闘争心には少し怒りに近い感情があり、選手はこの難しい狭間で長時間プレーを強いられる場面がよくあります。
そしてふとしたときに、このバランスが保てなくなる時があります。
ここで選手によって大きく分けて2つに別れます。
1つは怒りを爆発させながらも、どうにか闘争心を絶やすまいと奮起しようとする選手
2つめはその闘争心を維持する元気も無くなり緊張の糸が切れてしまう選手。
観戦をされている方から見れば前者は醜態をさらしていて、後者はクールに装い淡々とプレーしているように見えるかもしれません。
ですが、トップツアーを生き残るために絶対にやってはいけないことは後者の方だと考えています。
これを見ている皆さんはきっとテニスという特殊なツアー生活の状況を理解されている方が多いかと思いますが、一般的に見れば、子供に見せられないなど多くの意見があるかと思います。
ここでもう1つですが(理解しているようで理解しきれていないこと)
世界のトップの選手の行動が全て正しいとは思っていません。
世界一の選手より、もしかしたら私のやっていることの方が優れていることがあるかもしれません。
もしくはそれが全て正しくないから今の位置にいるのかもしれません。
1つ言えるのはそれを探すのがスポーツの醍醐味であり、トップを目指す為に色んな情報が必要で、そしてそれを選択する為に教養が必要なわけです。
テニスの練習を頑張っている子供達に教養があれば、今ラケットを投げ捨てる必要があるかどうか等はしっかりと理解できることかと思います。または指導者が教えるべき事です。
私たちがテニス選手のお手本であるということは重々理解していますが、子供達の指導者ではありません。
誰を指導者とするかは、その家族が決めるのです。
普段何をされても怒らないあれほど温厚な彼が、あそこまで無理やりテンションを上げて状態を維持しようとしているということの意味は私は理解していますし、どうにかして踏ん張りたいという強い思いは、私に大きな価値をもたらしてくれます。
そして私は私のやり方でコートの上で表現していきたいと思っています。
長くなりましたが、私はこれより芝シーズンが始まります。
クレーコートシーズンでは、いい試合が出来、もう一段レベルアップを図るためにもこの芝シーズンが勝負になります。
今後の予定です。
イギリス Surbitonチャレンジャー
オランダATP250 S’HERTOGENBOSCH
ドイツATP500 Halle
トルコATP250 ANTALYA
ウィンブルドン本戦
となります。試合が続き怪我のリスクも出てくるかもしれませんが、ここはリスクを負ってでも勝負に出るときかと思います。
ベストを尽くしたいと思います。
引き続き皆様のご声援よろしくお願い致します。